昔から小学校の先生に憧れていて、大学在学中に何かできることはないかと思っていたときに出会ったのが、大阪YMCAのボランティアリーダーでした。そこでの活動があまりにも楽しかったので、卒業後そのまま就職。専門学校の事務や総務などを経て、21年目を迎えたときにウエルネス事業部の所長となりました。
その現場で、サポートクラスに通う発達障がいを持った子どもたちと出会ったのですが、彼らが持つたくさんの課題に直面し、理解されにくさを実感しました。そのひとつが、進学先として彼らが安心して過ごせる高校が少ないという問題です。その後、そんな高校がないのなら「自分たちで作りたい」と思うようになり、彼らも含めた全ての人たちが安心できる安全な居場所を模索。そして5年前に、多様な不登校生を対象とした専門学校の高等課程(表現・コミュニケーション学科)を設立しました。
生徒たちが学校での活動を通じて自信を回復すること、そして一生必要なコミュニケーション力を身につけることが目的です。そうやって安心できる環境があれば、生徒は必ず変わります。まずは相手を受け止め、対話を重ねると徐々に心を開いてくれるのです。多くの不安を持って入学した子が、安定すると夢を語り、勉強を始め多くは進学するのです。そのとき「人間ってこんなにも劇的に変わるのか」と感動しましたし、私自身がそれらの体験を通じて、そんな環境を地域や社会で拡げていきたいと思うようになりました。
現在は表現・コミュニケーション学科の責任者として、生徒募集から講師手配、予算の執行、マネジメントと様々な業務を担当しています。その中に後継者を育てる、ということも大切な仕事で、その全ての業務が使命の実現のために行っています。私自身、責任者として10年後を見据え、10年後に大阪YMCAが願う平和な社会を創るため、「ビジョンからの逆算」をして、学校を運営しなければいけません。日々の仕事がビジョンに繋がることは後輩たちにとっても夢を持って仕事に取り組めることになると思っています。
つまり、ゴールの設定をすることで実現方法を明確にするということです。また、その目標の実現を支えてくれる多くの仲間と出会って欲しいですし、研修などで積極的に外へ出て色んな経験を積んで欲しいと思っています。ただ、その過程で身につけた専門性はあくまで使命を実現するためのツール。例えば英語を学ぶとしてもその習得が目的なのではなく、それを使って何をするのか?という視点を意識することが大切だと思っています。
大阪YMCAには様々な部署があり、使命を実現するためにたくさんの人々が日々頑張っています。使命は仕事で悩んだ時や困った時に立ち返れる場所です。私たちがしていることは人々に喜ばれることか、と確認できるのです。YMCAにはたくさんの資源があり、それらを活用すれば社会の課題に向かうことができます。私の場合は発達障がいの子ども達との出会いが、専門学校の高等課程を立ち上げるというプロジェクトにつながりましたが、これは私に限った話ではありません。大阪YMCAは柔軟な組織ですので、社会の課題に関心を持ち、使命を実現するものでしたらそのことを任せてくれ、やる気があれば新事業を担わしてくれます。
また先輩たちの存在も貴重な資源です。大阪YMCAで長く勤めれば勤めるほど先人の功績に触れ、誇りに思うことが多くあります。どんどんYMCAが好きになり良さを実感します。そんな先輩の方々や同僚、後輩、ボランティア、年齢や男女を越えた会員の方々を含め「一生の出会い」となる数多くの人々とめぐりあえるのも大阪YMCAで働くことの大きな魅力ですね。